韓国語学習支援サイト 

日録 2007年
連載

2007.12.17(月)
撃球ペンギン  朝鮮語を教えるということは正業か虚業か。おあしをいただくに足るだけの、誰に対しても恥ずかしくない職業と言えるのか。
それはさておき管理者の裏芸は翻訳である。翻訳しますという看板を裏返しにして掲げている以上は原則としてお仕事の依頼は断らないことにしている。そのため管理者個人の好みとは縁もゆかりもない韓国語を日本語にしなければいけない羽目に陥ることもあり、時には描けないイラストまで描けと強要される。痛快無類とはこのことだ。
そこで、あんまり忙しくて判断力が低下しているのを良いことに管理者が最近描いたイラストを載せてみる。何の絵か分かる人はおそらく大変な「通」だと思うが、この場合いくら「通」でも威張れたことではないので 어디 가서 그런 말씀 하지 마세요(どこか余所に行ってそんなこと言わないでくださいね)。
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 この図はポロである。両チーム馬に乗って棒っきれで球をはたいて相手ゴールに入れる馬上の球技、ポロ。朝鮮語では 격구 [ 撃毬 ](キョック / げき-きゅう) と言う。馬も球も描かれていないが断じてポロなのだ。騎馬民族の遊戯であろうこのポロ、高句麗 고구려 の壁画などでその様子を散見できる。古代史好きなら誰もが知っている高句麗の中興の祖、広開土王 광개토왕 (好太王 호태왕 、永楽太王 영락태왕、在位 391年 または 392年 〜 413年)の一代記である韓国ドラマ『太王四神記 태왕사신기 』でペ・ヨンジュン 배용준 がこの撃毬をやるシーンがあるのにちなんで「ぺ・ヨンジュンが撃毬の時にしていた鎧甲姿のペンギン」という注文に応じて泣きながら描いたのが左のイラストだ。泣くくらいなら受けなければいいのだが。こういう落ち穂拾い仕事が管理者程度の零細民にまで流れてくるところを見ると、もしかして流行ってるんですか?

 イラストだけでは仕事にならないので、併せて「『太王四神記』で韓国語旅行会話をいつのまにかマスター」という涙が出るような記事も書かされた。いや、書かせていただいた。管理者が背中で泣いた涙の跡をご覧になりたい方は 『韓流ファン vol.2 』 というムックを書店で立ち読みされたい。仄聞するところによるとペ・ヨンジュン関連の写真や記事の扱いはたいへん難しいのだそうだ。台詞を勝手に選んであれこれいじくるなど、事務所に問い合わせたらまず十中八九はアウト、というのが常識とのこと。その点このムックは実に果敢だ。だいじょうぶか、この会社。重版はおそらく無いと思われるムックなので入手した方がいいかもしれない。12月18日(火)店頭発売、税込み980円だそうです。編集の人、これくらい書いておけばいいですか?



2007.11.15(木)
数学の定石  以前  使える朝鮮語 で紹介した『 수학의 정석 数学の定石』をいただきました。ありがとうございます。せっかくなので表紙だけでも。スキャンが下手くそですが、수학의 정석 というタイトルはかろうじて読みとれます。
初版の前書きの日付が 1966 年、手元にある本の日付が 2002 年。とても売れたんですね。著者というか編者の洪性大さんの娘さんも数学の先生で、その旦那さんも数学の先生。やっぱり家族同士では「君は等比数列的な買い物をするんだね」とか、よくわからない喩えで会話したりするのでしょうか。そんなわけないですね。
基本編と実力篇、それぞれ6冊(数学10-가、数学10-나、数学 Ⅰ 、数学 Ⅱ 、微分と積分、確率と統計)、全12冊のシリーズのうち、この本は数学 Ⅰ です。
数学 Ⅰ とは言うものの日本の数学 Ⅰ とは範囲が違います。いきなり指数、対数、行列、アルゴリズム、連続確率変数の正規分布などなど。本に書いてある朝鮮語はいちいち理解できるものの、書いてあることが分かりません状態です。とても面白いと思います。ちょっと勉強してみたくなりました。
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 さて、学習意欲が高まったところで、経済について朝鮮語で語りましょう。または経済活動の現場から見た朝鮮語の表現、そこまで朝鮮語にこだわらず韓国の経済・ビジネスその他もろもろについての連続講座が管理者の勤務先のひとつである韓国YMCA韓国語講座で行われます。
朝鮮語の能力は問わないそうですので(もちろん実力があってもいいのです)、ご興味のある方は韓国YMCA韓国語講座TOPをどうぞ。
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 ついでに思い出しましたが、秋はバザーの季節でした。上記団体で 11 月 23 日(金・勤労感謝の日)にバザーがあります。せっかくなのでどうぞお時間のある方はお出かけください。ソウル往復航空券が当たる抽選会もあります。詳しくは韓国YMCAのホームページをご覧ください。
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 先日出した自転車の盗難届を取り下げに交番に行って来た。きっと「盗難届取り下げ願い申請書」とかいう書類があるだろうと思っていたら、正解は「被害届取り下げ願い」だった。朝鮮語と関係ないが朝鮮語の街・浅草へのオマージュとして書いておく。管理者はオマージュの意味をちゃんと知っているのか心配だ。



2007.11.14(水)
  文型一覧 に  Ⅰ -지 그랬다 追加しました。ようやくのことで「 그래 / 그랬다 三部作( Ⅰ -지 그래 Ⅰ -지 그랬다 Ⅱ '-ㄹ걸 그랬다 )」おしまいです。こうしたらよかったなあ、こうしたらどう?、こうしたらよかったのにねえ。後悔したり相手に進めてみたり、なじったり慰めたり、これでばっちり。この三つを整理するのになんで二ヶ月もかかってしまったのか我ながら不思議です。헤헤, 게으름 피우지 말걸 그랬다.
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通仁カゲ  「仁寺洞で韓国YMCAのHPにいた猫?の看板を見つけました。私は猫だと思っていましたけどトラだとの意見もあり何のイラストでしたっけ?」様、「合成語における濃音化」についてのご質問ありがとうございます。
以前にメールで回答いたしましたが、その後もう少しちゃんと考えてみましたので、改めて回答させていただきます。メールでの回答と若干違う点があります。お詫びいたします。よろしくご参照ください。


ご質問は以下の二つですね?

  1. 先行語の終声が流音( [ l ] )で、後続語が平音で始まる語の組み合わせに置いて、後続語が濃音で発音されるのは、先行語の終声の字が ㄹ の場合だけなのか、同じ [ l ] 音の ㄼ / ㄽ /ㄾ / ㄿ / ㅀ の場合は濃音化しないのか?
  2. 先行語の終声が鼻音/流音以外の口音の子音( [ p ] [ t ] [ k ] )の場合は後続語の平音は濃音化しないとの理解でいいのか?

 まず1の方ですが、名詞+名詞という組み合わせではありませんが、「嫌だ」という意味の形容詞の 싫다 の語幹に「症」という漢字が合わさった「 싫증 嫌気、飽き」という語があります。発音は [ 실쯩 ] となります。これなど明らかに ㅀ + 平音の組み合わせです。ということで、先行語の終声の字が ㄹ 以外の [ l ] でも後続語は濃音化することがあり得る、ということでどうでしょうか。(この点、メールで回答した内容と違っております。ご了承ください)
ただし、純粋な名詞+名詞の組み合わせの合成語で、「終声の子音字 ㄼ / ㄽ /ㄾ / ㄿ / ㅀ +平音」の場合において平音が濃音化するものは、現在の正書法の範囲で考えると存在しないようです。「八個 여덟 개 」などは [ 여덜깨 ] と発音する朝鮮語話者も多くいますが、これは合成語とは言えないのではないかと思います。

 ところで、生まれて満1才を迎えることを 돌 と言います。以前は 돐 と表記しましたが、現在の正書法では 돌 です。このお祝いの料理を 돌상 (以前は 돐상 と表記)と言います。상 [ 床 ] はこの場合「お膳、こしらえた料理全体」の意味です。これは [ 돌쌍 ] のように 상 が濃音化します。ところが同じ 돌 +名詞である、満1才のお祝いという意味の 돌잔치 では 잔치 は濃音化せず、無理矢理ですが読み仮名をつけるならば、「トルジャンチ」です。

 何やら混迷の度が深まったかのような気がしますが、気をお楽にどうぞ。これは、朝鮮語話者がこの組み合わせは合成語、この組み合わせは合成語ではない、と無意識に認識している結果です。こちらとしては「合成語では 사이 시옷 が入る、濃音化する、사이 시옷 が鼻音化することもある」と覚えて構わないのですが、朝鮮語話者が合成語と思っているかどうかは、さすがにいちいち覚えるしかありません。돌상 は合成語で、돌잔치 はただ並べただけ、ということでしょう。どうぞ難しくお考えにならずに。

2に関しては、先行語が口音( [ p ] [ t ] [ k ] ) で終わっている場合は、表記に変更はなく後続語の語頭の平音が濃音化します。これは複数の語の組み合わせが合成語であるか否かとは関係なくそうなるので、◆合成語における平音の濃音化と 사이 시옷 には説明してありませんでした。ご質問を機に若干の補足を行いましたのでご参照ください。

 ところで猫ですが、これはトラですね。朝鮮のトラ 호랑이 です。縁起物ですので(多分)、一家に一匹お備えください。朝鮮のトラは昔からタバコを吸うことになっていますので、その点お含み置きください。

 ご質問ありがとうございました。どうぞこれからも楽しく朝鮮語に接していかれますように。
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 どうもすみません。ご指摘ありがとうございます。「 가을로 (邦題:ノートに眠った願い事)」の主演女優はキム・ジスさんですね。イ・ナヨンさんではないですね。昨日の日録で二人を取り違えて書いてしました。イ・ナヨンさんは『私たちの幸せな時間 우리들의 행복한 시간 』の人でしたね。物知らずがこれでひとつ賢くなりました。ありがとうございます。またお気づきの点がありましたらご指摘よろしくお願いいたします。
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 賢くなったのはありがたいが、口惜しいのでキム・ジスとイ・ナヨンは同一人物だということで脳みその整理箱にいっしょに入れておくことにした。二人は管理者にとっては同一人物。それでいいことにしよう。おそらく生きていく上で何の問題もないはずだ。



2007.11.13(火)
 すっかり秋ですね。입동 立冬を過ぎたのに秋なのはおかしいですね。おかしくても秋なので、秋に相応しいかどうかわかりませんが、今回は管理者の表芸と裏芸に関するお知らせです。
管理者の表芸は流しの朝鮮語講師、裏芸は流しの翻訳と流しのライターです。無理に付け加えるならば、管理者は経理もできます。それはさておき、裏芸に含まれる部分のお仕事で、 「韓流ファン Vol.1 (COSMIC MOOK)」というムックの「本 チェックちぇっチェック」なるコーナーに「韓国語学習篇」としてお薦めの韓国語学習関連の本を紹介しました。全部で12冊です。ほとんどは弊サイトで紹介しているものですが、このムックは他のページにたくさんの韓国俳優さんの写真が載っています。立ち読みするといいと思います。980円なので買ってもいいかも知れません。管理者の表芸とちょっと関係あるお知らせでした。
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 上段で挙げた「韓流ファン」なる雑誌は、この夏に出た「 Brand-new KOREA 」という雑誌が形を変えたものだ。「 Brand-new KOREA 」はたったの2号でお終いになってしまった。どういう経緯かわからないが、売れ行きがもうひとつぱっとしなかった、ということだろうと思う。ままならないものである。リニューアルした「韓流ファン」は隔月のムックで、もっと派手にもっと中味を突っ込んで誌面を造りたいのだそうだ。仕事を選ばない管理者は快く上記の本の紹介コーナーを引き受けた。節操がないものだ。
それはともかく、旧「 Brand-new KOREA 」では、管理者が映画を観て「イラスト付きで何かほんわかしたこと」を書くコラムを担当していたのだが、雑誌休刊、新ムック創刊の煽りをくらって、掲載予定だった映画レビューがお蔵入りになってしまった。もったいないので、ここで陽の目を見させておきたい。弊サイトで紹介するのがはたして「陽の目」かどうかは疑問が残るが、「草葉の陰」でないだけましだろう。管理者の裏芸、お目汚しではあるが、どうか、ひとつ。
お題は「 가을로 (邦題:ノートに眠った願い事)」。ユ・ジテとイ・ナヨン主演のデパート崩落恋愛映画。

  • 〈印象的なセリフに気をとめるためにネタバレに気をつけないコラム〉 第3回

    275ミリメートル     秋です。紅葉狩りなどいかがでしょう。紅葉狩りもいいけどやっぱり韓国映画が好き?  ふふふ、そんなあなたに今回お届けするのは『ノートに眠った願いごと』(2006年 ユ・ジテ、原題『 가을로 (秋へ)』)です。何かと逆境中の編集者、ナイス・チョイス。しかし、いくらナイスでも、DVDとともに送られてくる参考資料に目を通すほど筆者はやわではありません。今回も体当たりのネタバレ御免逆境コラム、今月もほんわかをお届けします。

        検察の若手検事として忙しいヒョヌ(ユ・ジテ)。忙しくても男として言うべきことはきっちり言うのは立派です。「 나랑 결혼해 줄래 ? (僕と結婚してくれるか?)」。言ってみたい、言われてみたい台詞です。もちろん言えばいいってものではなく、ユ・ジテ一流の真摯で暖かい笑顔で言えばこそミンジュも求婚を受け入れるわけです。筆者も男の端くれですが使う機会の無いのが惜しまれます。そんなこんなでヒョヌとミンジュは二人してミンジュの実家に挨拶に行きます。婿になる男と嫁に出す父親の会話もさることながら、このシークウェンスでのほんわかはヒョヌとミンジュのやりとりです。ごはんも食べ終わってお風呂にも入って、もう眠るだけ。ヒョヌはミンジュの子供時代のアルバムを眺めています。恥ずかしがるミンジュ。そこでミンジュは唐突に「 옷 갈아입어야지. (服、着替えなきゃ)」。もう寝るからパジャマに着替えろってことですね。ミンジュはヒョヌの服のボタンを外してあげようとします。これは男性からしてみると実に照れくさい。おまけに彼女の実家です。お義父さんとお義母さんが起きたらどうのこうのと照れるヒョヌに、ミンジュは「 스릴이 있잖아 ? (スリルあるじゃん?)」と切り返します。あらっ、ハズカシっ。筆者は思わず乙女になってしまいました。余談ですが、最初この台詞を聞いた時は「 쓰리겠잖아 ? (ヒリヒリするんじゃない?)」と聞こえました。べつにヒリヒリしないよなあと思ってよくよく聞き直すと、スリル、だって。韓国語講師である筆者のプライドがヒリヒリ痛みました。

        それにしても、見ているとこちらの心に黒い気持ちが芽生えるほどに仲の良い二人です。ヒョヌのことが大好きでしかたないミンジュはヒョヌの身の回りの物を買いにデパートに出かけます。スニーカーとか服とか。そしてデパート崩落。いきなりですが、崩落です。デパート崩落。大惨事です。その時ミンジュはコーヒーショップでヒョヌのために買ったものを自らラッピングしていました。結果は明らかです。瓦礫と土埃、救助隊と被害者の叫び声の中、ミンジュの名を呼ぶヒョヌ。ヘナヘナです。職場では担当していた贈収賄事件の捜査が打ち切られるは、不満をぶちまける市民に卵ぶつけられるはで、上司はヒョヌをしばらく休ませます。検察への風当たりを避けるためなんですね。ヒュヌ、泣きっ面に蜂状態です。

        職場から一時的にですが放り出された形のヒョヌは旅に出ます。主に江原道一帯の海と山。季節はもう秋です。この映画は「名所巡り・名所紹介映画」でもあるんですね。なぜそのコースかと言えば、ミンジュが生前、ヒョヌからプロポーズされるずっと前から書き続けていた、「ヒョヌと行きたい新婚旅行シミュレーションノート」がヒョヌの手に渡ったからです。これが邦題の「ノート」。このノートをヒョヌに渡したのはミンジュのお父さんです。わざわざ田舎からソウルに出てきて、娘の形見とも言えるノートをヒョヌに手渡します。料理と酒を間にぼそっと放つおやじさんの「 내 잔 하나 받게 . (どうだ、一杯)」は渋いです。いい年した大人ならこれくらい言えないとダメだと反省しました。笠智衆、または逆を狙って三國連太郎に演らせてみたいと思いました。

        さて、ノート片手にミンジュの夢が詰まった旅程をたどるヒョヌと行く先々ですれ違う女の子がいます。セジンです。道ですれ違ったり、旅館の隣の部屋になったり、食堂で相席になったり。意図してそうしているのか、まったくの偶然なのか判然としません。あんまり一緒のコースなので、言葉を交わすことになるのは、これは必然。それでもヒョヌは訝しみますが、やっぱり偶然だろうと思っていると、なんと、このセジンの言うことは、いちいち、ヒョヌが持っているミンジュのノートに書いているフレーズそっくりそのままではありませんか。「ノート」の冒頭、そして映画の冒頭はこの台詞で始まります。ちょっと長めですが引用します。「 바다를 향해서 우리 여행은 시작되는 거야 . 바다 가운데에 사막을 가진 섬이 하나 있어 . (海に向かって私たちの旅行は始まるの。その海の真ん中に砂丘がある島があるんだよ)」。ミンジュの仕事は各地を回って自然ドキュメンタリーを作ること。その合間合間に書きためたノート。なぜそのノートの言葉と、行きずりのはずのセジンの言葉が同じなのか。ヒョヌはセジンを問い詰めます。そういえばセジンにはおかしな行動が目立ちました。トンネルで見かけた交通事故現場、トンネルの中だというのにセジンは車から降りてそこから逃げ出します。怪しい。なぜだ。問い詰めるヒョヌに打ち明けるセジン。デパート崩落の、彼女もまさにその被害者だったのです。セジンの突飛な振る舞いはPTSDによるものでした。

        もうここまでくればミンジュとの繋がりも明らかです。ミンジュが寄ったコーヒーショップのウェイトレスがセジン、崩落した瓦礫の中でミンジュに励まされ、ミンジュの死を一番近くで感じ、ノートを託された、それがセジンです。瓦礫の中で交わされるミンジュとセジンの会話にほんわかはありません。でも、そんな中でもほんわかを人に与えることが出来る台詞として、「 정신 차려 , 언니 ! 잠들면 안돼 ! (しっかりして、ミンジュさん! 眠っちゃだめ!)」を挙げておきます。当たり前の台詞ですが、これはなかなか言えない。言えないはずです。この台詞を言うことで、ミンジュはセジンからほんわかを受け取り、セジンはミンジュから愛することのほんわか、ヒョヌへの強い思いを託されます。ミンジュはノートをセジンに託し、ヒョヌの名を呟いて事切れます。励まし励まされることでほんわかを託し託されあった瓦礫の中の二人でした。セジンはこのノートをミンジュの実家に送ります。その全てを頭に刻み込んで。そして旅にでました。

        現実でのヒョヌとセジンは旅の終わりで別れ、ヒョヌの職場復帰の後で再会します。ラストシーンはすっかり色づいた秋のたけなわの銀杏並木。明るい笑顔のミンジュが「良い道になるといいなあ」という意味の台詞とともに同僚だったカメラマンの車に乗って立ち去るのを見送るヒョヌとセジン、という象徴的すぎて何が何だかわからないシーンでこの映画は終わります。

        ラスト少し前の場面、職場に復帰したヒョヌは事件の再調査を上司に対してにこやかながらも毅然と要求します。立ち直ったヒョヌに部下もひと安心。ヒョヌの下の課長さんの「 가진 것은 없지만 검사님 뒤에는 항상 제가 있지 않습니까 , 하하 . 파이팅 ! (何も力にはなれませんけど後ろにはいつだって私がついてるじゃありませんか、ハハ。ファイティング!)」は味わいがあります。他にも「 인체의 신비야 . (人体の神秘だよ)」など捨てがたいところは山ほどありますが、最後にひとつだけ。ヒョヌの足のサイズは 275 mm 。韓国ではセンチではなくミリで靴のサイズを言います。足、大きいですね。さすがユ・ジテです。だからヒョヌだってば。



2007.11.11(日)
  文型一覧 に  Ⅰ -지 그래 を追加しました。相手に向かって「こうしたら?」「こうすればいいんじゃない?」と提案したり対案を示す言い方です。この言い方を使って「こうしたら? → こうしましょうよ。こうしなさいよ」というふうに、軽く誘ったり命令したりもできます。どうぞお使いになってみてください。若干軽い感じがしないこともない会話表現です。
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 この十日間の間に浅草に三回も行ってきた。一回目は行きが自転車で帰りはタクシー。二回目は往復とも都営バス。三回目は行きがバスで帰りは自転車。管理者自慢の自転車と黒ホッピーが引き起こした「浅草まで往復三回事件」。
管理者は人付き合いがすこぶる悪い。人当たりは柔らかいのに不思議だ。授業で担当している受講生の方たちと飲みに行くこともあまりない。先日、11月2日の金曜日の夕刻、いつもなら土曜日の朝っぱらからある授業の準備に余念がないところだが、翌日は休日ということで単純に喜んでいた。そこへまさにその土曜午前クラスの受講生の方たちが、浅草で飲みませんかとお誘いしてくれたので、付き合いの悪い管理者はまだ買ってから間のないぶんだけ自転車に乗るのが嬉しいこともあり、珍しく飲み会に参加した。ああ、これが雷門なのね。管理者は浅草にこれまで一回か二回くらいしか行ったことがないので何を見ても面白い。堂々と雷門の交差点に駐輪してしまったのが間違いだった。

 飲み会でのことは書かない。黒ホッピーをたくさん飲んだので忘れてしまったから書きようがない。とうぜん自転車などで帰れるはずもなく前後不覚のままで帰宅した。酔ってバカになっているので自分では何も出来ず、受講生の方たちが苦労してタクシーに乗せてくださったとのこと。ほんとうにすみません。ありがとうございます。授業でお返しいたします。

 翌日3日の二日酔いはこの際省略して、5日の月曜日に出勤しようと自転車に乗ろうとしたら自転車が無い。ここでやっと浅草に自転車を乗り捨ててきたのを明確に思い出した。やれやれ。きっと撤去されているだろうと思って、6日の火曜日に台東区の自転車保管所に出向いた。管理者の住んでいる所からは都営バスで浅草まで一本だ。初めて乗る路線の風景をのんきに楽しみつつ保管所に着いた。係のおじさんに訊いて浅草近辺から移送してきた自転車のコーナーに行き自分の自転車を探してみると、無い。あれ、ありませんね。係のおじさんによると11月3日と4日は浅草の時代祭というのがあったそうで、雷門の前なんかに置いてあったら絶対ここに持って来てあるはず、と言う。それでも無いものは無いので、これは撤去じゃなくて盗まれてしまったかなと、悄然と肩を落とし帰りのバスに乗った。

 ボク ノ ジテンシヤ ヲ カエシテクダサイ と子供の心に戻って悲しんでいるとやっぱり自転車が欲しくなって、7日の水曜日に近所の自転車屋さんでもう一台同じのを買ってしまった。前のはブルー、今度はホワイト。自転車屋のお兄さんがかわいそうに思ってサービスでチェーンをくれた。さっそく近くの公園に行ってマジックで名前とペンギンのイラストを泥よけの部分に書いてちょっと心が落ち着いた。今度はちゃんと気をつけないと。

 昨日は土曜日で、一週間前の飲み会にお誘いいただいた受講生の方たちのクラスだ。迷惑をかけたことをお詫びするともに授業は授業で凛々しく行ったわけだが、休憩時間に「先生、自転車はピックアップしましたか」とおっしゃる。残念ながら盗まれてしまったようです、と答えると不思議なお顔をなさる受講生。そんなはずはない、先生をタクシーに乗せて先生の自転車が撤去されたり盗まれるといけないから近くのスーパーの駐輪場に置いといたんですよ。ええっ、今初めて聞きました。……先生、飲み会の後半ホッピー何杯飲んだか覚えてないでしょう。はい覚えてません。何も記憶にないのです。早く取りに行った方がいいですよ。ありがとうございます。と、いうことで授業はいつもに増してポーカーフェイスになった。管理者は嬉しいと無表情になる。

 そして今日またバスに乗って浅草の雷門近くのスーパーに朝から出かけた。三回目の浅草だ。探すまでもなく、スーパー横の駐輪場というか自転車置き場に愛らしいブルーの自転車がある。防犯登録のナンバーを確認してカギを回すと、まさしく ボク ノ ジテンシヤ だ。ああ、よかった。これで移送手数料五〇〇〇円也を払わないで済む(新たに買った自転車のお金はどう考えれば良いのか)。ありがたきは親切な受講生の面々だ。さて、のんびり帰ろうと思ったら雨が降り出した。これではずぶ濡れ、風邪を引いてしまう。ここはひとつ雨宿りしようとまたしても路上駐輪して(ぜんぜん懲りてない)、一週間前に連れて行かれた飲み屋が集まっている通りで、場外馬券売り場に集って来たオヤジたちに混じってチューハイと煮込みを食べた。

 朝から開いている飲み屋がある街は素敵だなあと思いつつ、雨が上がったので勘定をして通りをふらふら歩いていると、目に慣れた文字が目に入ってきた。おや、ハングル文字。옷감 (服の生地)、경주 (慶州)、실내포장마차 ( [ 室内包装馬車 ] 、すなわち屋内屋台。この言い方はいつ見ても変だと思う)。そう言えば、浅草辺りは総連系の在日朝鮮人がけっこうたくさん住んでいるんですよ、というまた別のクラスの受講生の言葉が思い出された。朝鮮語とは直接関係ないことは原則として書かない弊サイトなので、無理矢理こじつけてみました。浅草は朝鮮語の街。管理者はそう決めました。いま思い出したが、一週間前に入った店も朝鮮料理の飲み屋だった。

 三回目の復路はちゃんと自転車で帰って来られたのでもう悲しくなくなった。問題は、既に交番に届け出てしまった被害届の撤回だ。明日交番に行って、見つかりましたのでと、届けを取り下げてこよう。届けを出す時に「浅草まで自転車で行ったんですか」と、お巡りさんが、へええと呆れていたから、ちょっとてれくさい。期せずして保有するに至った同型の自転車2台(ただし色違い)は大事に乗ろう。誰にもあげません。やたらな所に駐輪してはいけないということ、韓国朝鮮料理屋は何処にでもある、というのが今回の事件で学んだことでした。いまさらなあ。



2007.09.27(木)
 先日授業でほんのちょっぴり虹色について触れてみた。虹 무지개 は七色、地域によっては五色だったりするところもあるが、日本も韓国もとりあえず七色だということになっている(朝鮮における虹色に対するもともとの色数の認識は違うような気もするが)。
赤色 빨간색・橙色 주황색・黄色 노란색・黄緑色 초록색・青色 파란색・藍色 남색・紫色 보라색、それぞれの一文字目をとって色を覚えることになっている。すなわち パルヂュノチョパナムボ 빨주노초파남보 。色がないと覚えにくいわ、という方は 9月 7日の当欄なり弊サイトのTOPページなりでご確認を。
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 ところで自転車通勤は快適だ。自分が歩いている時は自転車を邪魔だと思っていたが、自分が自転車に乗ると歩行者を邪魔だと思うようになった。勝手なものである。お互いね、気をつけてね、危なくないようにね、したいものです。歩道はやっぱり歩行者優先、だと思う。
 ちなみに「自転車を漕ぐ」は 자전거를 타다 。面白い必要はないが実に芸が無くて面白くない。「ペダルを踏む、ペダルを漕ぐ」となるとこれも芸無しだが 페달을 밟다 。페달을 돌리다 とすると子供が自転車のペダルを回して遊んでいるイメージなんだそうだ。そういえば小さい頃、自転車を無理矢理ひっくり返してペダルをぐるぐる回して遊んだ記憶がある。どんどん焼き屋、とか言って楽しんでいた。どんどん焼きとは何かと聞かないでほしいと思う。自分でもよくわからないからだ。
 他の自転車関連の表現としては、「パンクする」は 빵크 나다(パンクが出る)、「空気を入れる」は 바람을 넣다(風を入れる)。二人乗り、手放し運転、三角乗り、立ち漕ぎ、などは未調査。ご教示願います。


2007.09.08(金)
 本日は白露。これにともない  朝鮮語クロスワード に新作をひとつ追加いたしました。 また、答えのカギを一覧で見られるようにしましたので、なんでしたら画面を印刷して寝っ転がりながらお解きください。
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 短い 짧다 、広い 넓다 は終声の子音字を二つ書く。ㄼ である。
単体での発音は [ 짤따 ] 、[ 널따 ] 。なぜ終声の子音字を二つ表記するかと言うと、第 Ⅱ 語基で 으 、第 Ⅲ 語基で 아 / 어 がついて発音される際に、짧으 [ 짤브 ] / 짧아 [ 짤바 ] 、넓으 [ 널브 ] / 넓어 [ 널버 ] のように発音されるから、それを綴りに反映させるためだ。なるほど。
 では、例えば、詠嘆形の語尾 Ⅰ '-네 をつけた場合はどうなるか。表記は 짧네 、넓네 。標準語での発音は ㅂ の方が優先されて鼻音化した結果 [ 짬네 ] 、[ 넘네 ] となるというのが、管理者の周囲のネイティヴ・スピーカーの感覚だった。また 짧으네 、넓으네 と言ったりすることもあるとのこと。そうすると Ⅰ '-네 は Ⅱ '-네 の形もあり得るということになる。慶尚道では [ 짤레 ] 、[ 널레 ] と発音するという意見もあり、こちらは ㄹ が優先されているわけだ。

 管理者としては面倒になってきたので、短いなあ、広いねえ、と感心なり感動なり感嘆する時は他の表現を使うことにする。事と次第によっては感動を無理矢理に押さえ込むことも辞さない覚悟だ。
この ㄼ については、また追跡調査をして何か判明したらお知らせしたい。



2007.09.07(金)
 タイトルはうろ覚えですが、管理者が、映画知らず、物知らずという逆境のもとで書かされた「ネタバレを気にしないで韓国語の台詞を気にとめるコラム」というコラムが『 Brand-new KOREA 』(ブランニューコリア)』なる雑誌に今月も載ったので紹介します。お題は『子猫をお願い 고양이를 부탁해 』です。載ったのは本当ですが、書かされたというのはウソです。すみません。書かせてもらいました。仕事は選びません。そのかわり " 雑誌が売れるネタを考えろ " とか遠回しに責めないでください。
編集の人に、PDFファイルとかをくれればこのサイトでダウンロードできるようにするけど、と言うと「今発売中のはダメ」なんだそうでです。立ち読みしてください。
しかたないので、前号に載った『私たちの幸せな時間 우리들의 행복한 시간 』のことを書いたコラムはどうかと尋ねると「それならOKです」とのこと。

 雑誌に載ったのを立ち読みしたから要らないわ、という方もいらっしゃるでしょう。でも、これも愛敬。是非ダウンロードしてお読みください。印刷すれば裏紙としてメモに使えますし、裏紙に印刷した場合は折りたためば鍋敷きに使えるはずです。
   → ●「ネタバレを気にしないで韓国語の台詞を気にとめるコラム」 第1回 『私たちの幸せな時間』(PDF)
ついでに、担当編集者が自力で頑張っている「非公式サイト」と、1号と、現在書店で発売中の2号をネットでも売ってるからと、こっちのリンクもお願いされました。淡いながらも確固として篤い義理があるので併せて紹介しておきます。ああ、逆境ってチビシーんだな。石立鉄男でした。(あれはチーボー、か。もう記憶が曖昧)

    ●『Brand-new KOREA』(ブランニューコリア)非公式ブログ
    ●『Brand-new KOREA』(ブランニューコリア) vol.1
    ●『Brand-new KOREA』(ブランニューコリア) vol.2

 管理者は動く映像なら何を見ても面白がるので、次はこの映画でほんわかをえぐり出してほしいという要望などありましたら、上記ブログまでどうぞ。
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 韓国の数学参考書の古典でありロングセラーである『数学の定石』シリーズのことを  使える朝鮮語 に載せたところ、「赤尾の豆単、なるほど。私の年代だと『土屋の古文』『数学チャート式』かしら」というご指摘をメールでいただきました。このメールをくださった方は韓国で日本語教師をされているそうで、「定石」という日本語を説明している際に、韓国人学生から「ああ、『スウガクノジョウセキ』!」と納得されたとの由。そうなんですよ。みんな知ってる本なのです。朝鮮語でお悩みで数学が苦手なあなた(そして管理者)。さっそく韓国に行って『数学の定石』シリーズを買いましょう。朝鮮語か数学か、どちらかは身に付くはずです。
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赤 橙 黄 緑 青 藍 紫

간색
빨강

황색
[ 朱黄色 ]

란색
노랑
黄緑
록색
[ 草緑色 ]

란색
파랑


[ 藍色 ]

라색
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 TOP画面の統一旗(単一旗 단일기 )Unification flag を、あら素敵、虹色に七変化するようにしました。暇ではないのですが、仕事から逃げてはこういうことをするわけです。不評だったらさっさと元に戻します。管理者は君子なので豹変が得意です。


2007.09.06(木)
 いかがお過ごしでしょうか。管理者は元気です。自転車を買おうと思っています。
それはさておき、ずいぶん暑かった夏も終わりそうです。先々月の日録に「どういうわけか暑くならない」などと書いてあります。管理者の見通しの甘さや、場当たり的な性格が表れていて爽やかな秋の風のようです。ということで、久しぶりに文法項目を一つアップしました。夏の終わりと爽やかな秋風は文法と一見関係なさそうですが、実のところ関係ありません。ずいぶん以前に当面作成すべきと思った項目を自分でリストアップしてみたらあんまりたくさんあって、気後れしたと言うか、たまたま晩酌しながらだったのでおなかいっぱいになったというか、とにかくびびってしまってそのまま放っておいただけです。今回は、ああやんなきゃよかった、という自分に向けた後悔を表す  Ⅱ '-ㄹ걸 그랬다 を作りました。他人に向けて「すればよかったのに」という  Ⅰ -지 그랬다 、「したらいいんじゃない」と勧める  Ⅰ -지 그래(요) も関連項目ですが、まだ整理していません。もう少しお待ちください。誰が待っているかというと管理者が待っているのですが、もしかしたらこのサイトを日々の楽しみにしている人がいるかもしれないので、その点はあまり負担に思わないで素麺を茹でて今日の蒸し暑さを乗り切りたいと思います。
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 朝鮮語クロスワード ですが、「ハングル入力ができるようになってよかった」というお褒め乃至は喜びの声、また「カギを一覧で見られるように元に形に戻してほしい」「せっかく途中までハングルを入力したものを保存できるようにしてほしい」などのご要望をいただいております。人様の容貌と要望には可能な限り期待に沿うように心を広くして応えたいというモットーの管理者ですので、なんとかしたいところです。画面の保存はどうしたらいいかわからないのでちょっと途方にくれますが、カギの一覧表示ならどうにかできそうです。こつこつ整備しておきますので、代わりと言っては何ですが、皆様もひとつパズルをお作りになってご応募くださいますようお願いします。ちなみに二十四節気で始まるパズルは管理者がやっておりますので、他のテーマで、ひとつ。


2007.08.11(土)
 映画を観ない管理者が映画を観ることを強要されて雑誌に何か文章を書くという、いつ打ち切りになってもおかしくない企画が雑誌の売れ行きが逆境の中で進行しております。先日第2回目の原稿を編集者に送ったところです。内容をここで挙げるわけにはいきませんが、物好きな人のために映画のタイトルだけお知らせいたします。今回は『 고양이를 부탁해 』(子猫をお願い)を観ました。猛暑を子猫でしのぐのもよろしいのではないでしょうか。食えと言うのではなくDVDなどで鑑賞するのをお勧めします。今月下旬発売の『 Brand-new KOREA 』(ブランニューコリア)の夏号だか創刊2号だか10月号だかに掲載予定です。体力に自信がある方は猛暑日の陽射しに打たれながら立ち読みすると熱中症になるので、人が買ったのを回し読みすると良いと思います。自信を持って申し上げるのですが、読んでも人生に裨益するところは皆無です。もし何か役に立ったら教えてください。



2007.08.03(金)
 普通の辞書には載っていない言葉というのは世の中にはたくさんあって、その多くは略語造語合成語、卑語俗語流行語、業界用語や専門用語である。なんとなく意味はわかるのだが、いまひとつ理解の決め手に欠けるという語は多い。考えてみればこれが自然な状況なのだろう。今日  使える朝鮮語 にアップした 연신 は、決め手に欠けると言うより理解のとっかかりすらない語だった。用言に何らかの語尾がついたものかと思ったがそうでもなさそうだし、かと言って名詞でもなさそうだ。残る可能性は副詞だが、そうなるともうお手上げである。管理者のお手上げはなかなか堂に入っていて自分でもほれぼれしてしまうが本題とは関係ない。
「ひっきりなしに、しょっちゅう、続けざまに」という副詞として 연신 はごく普通に使われているようだが、テレビなどでアナウンサーが平気で 연신 って使うのはおかしい、などのように 연신 ではなく 연방 が正しいと主張する人もいる。연방 の方はちゃんと辞書に載っている言葉だ。연신 か 연방 か。どちらが正しいのかは何を基準にするかによって違うだろう。正義と同じである。アフガニスタンに行った韓国人関連のニュースを読んでいて似たようなことを感じた。おや、おやじくさい。おやじがおやじくさいのは加齢によるものなので、基準がはっきりしている。管理者はミントの香りがします。



2007.07.20(金)
 暑い夏を乗り切ってくださいませねという願いをこめてTOPページの今日の言葉を「以熱治熱」にしてあったのに、どういうわけか暑くならない。ラ・ニーニャ 라니냐 だかエル・ニーニョ 엘니뇨 (これもやはり朝鮮語の癖で [ 엘리뇨 ] と発音されるだろうと思うと小気味よい)という人が頑張るとこういうことになるのだそうだ。暑いと泣くので暑くない方がいいのですが、季節の情緒というものがありません。でも泣くより情緒が大切というのも不人情なので、お米が適度に育つくらいに暑くなってほしいと思います。
もう少し暑くなったら「以熱治熱」は復活させることにして、今日の言葉を「顔が広い 발이 넓다 」にしました。足 발 はさすがに主役をはれるだけの身体器官なので慣用表現に多く使われます。軽く辞書を引くだけで楽しいひと時をお過ごしになれることでしょう。
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 管理者の爽やかさと目尻のしわの少なさの理由のひとつはテレビが発する電磁波の影響を受けないことにある。テレビがないのだ。したがってドラマも見ないし、映画館に足を運ぶこともしないので(ほんとは運びたいが我慢するのが好きなのだ)映画も観ない。DVDを借りるということもしないので、芸能人有名人の顔と名前が一致しない、そもそも名前すら知らないことが多々ある。そんな素敵な管理者なら面白いだろうと目論んで、管理者に韓国映画を見せて何か書かせるという困った編集者も出て来るわけで、『 Brand-new KOREA 』(ブランニューコリア) なる雑誌に埋め草的に原稿を書いている。映画などは観たってわからないので、しかたないから印象に残った台詞に絡めて鋭い文明批評をボケの薄皮にくるんで読者に投げつけるという高度な手法をとっている。もちろん朝鮮語の台詞だ。自分では何とでも言えるので言いたい放題である。前回の映画は「私たちの幸せな時間」で、次回はまだ言ってはだめだそうなので内緒だが、たまに観るとなんでも面白い。動く映像を目にすることがないので、何を見ても聞いても食い入るように見つめては笑い転げる幼児状態だ。ここ数日は、翻訳をしたり、授業の準備をしたり、この類の原稿を書いたりして過ごしている。優雅だが無聊だ。ぜいたく言っちゃいけませんね。



2007.06.30(土)
 先日作りますと公言した「用言と語尾の種類、語基と語尾の関係、その分類の考え方」みたいなものができましたのでアップいたしました。
語尾とか語基とか言ってますが、何のことはありません。分ければたったの三種類。どの語基にどの語尾がつくかは決まっています。番号合わせてくっつけるだけです。ああシンプル。
なのですが、語基のでき方がちょこっと複雑な面があるのも否めません。とくに母音語幹用言。たいてい第 Ⅲ 語基が圧縮されますから。あと、ㄹ が脱落する時があるとかね。

 そこらへんのことと、変格用言なども盛り込みつつ、大筋では小学館の『朝鮮語辞典』を参考にして  文法の特効薬 に 用言の活用のパターン というものを追加いたしましたので、うわあ、と驚いてください。たいしたものではありませんが。粗品ですが。
作ったはいいのですが、何でこんなにこむずかしくなるのかというと、管理者が無駄に丁寧だからです。ほんとはね、とてもシンプル、とても簡単。何か見つけたら管理者が怖がって泣き出さないようにやさしく指摘してください。ただでさえ泣きそうなんですから。



2007.06.27(水)
 日本語話者に特化した説明と用例の豊富さが特長という、良くも悪くも宣伝が行き届き、賛否両論あるにしても使っている人が多い小学館の『朝鮮語辞典』
巻頭の使用方法や巻末の付録はあまり読まないのがまっとうな人間の常、管理者もまっとうな人間になりたくて今までちゃんと目を通すことはしなかった。

 ところが先日「朝鮮語辞典の後ろの方の説明で、語尾の1類とか2類って、語基で言うとどう対応してるのですか」と質問を受けた。ああ、なるほどなあ。弊サイトや管理者が行う授業での語基は三つ、小学館の辞書では語尾の種類は1類から5類の五つ。やっぱり混乱するかもしれない。混乱はそのままにしておいた方が面白い場合が多いものの、受講生からの質問なので、そうも言っていられない。
 その場ではとりあえず「朝鮮語辞典の説明にある1類から5類の語尾は、1類はただの第 Ⅰ 語基、2類は ㄹ が脱落する第 Ⅰ 語基、3類は ㄹ が脱落する第 Ⅱ 語基、4類がただの第 Ⅱ 語基、5類が第 Ⅲ 語基につく語尾」とシンプルにお答えしておいた。
そこで今日、小学館の朝鮮語辞典の巻末にある「用言活用表」( 1986〜1999 ページ)を喫茶店に行ってじっくり読んでみた。家ではしんきくさくて読む気にならなかったのだ。また、この欄で軽うくまとめるのを準備運動にして、授業でいかにも偉そうにとくとくと語ってみようと下品に目論んだことも正直に明記しておく。
 しかし、アイスコーヒーを飲みながら読んでみてわかったのは、内容は理解できたが一言で軽うく咀嚼して説明するのは無理、少なくとも頭が悪い方にシンプルにできている管理者には無理だということだった(頭が悪く下品な人間に限って偉そうにとくとくと語りたがるものだ)。この「用言活用表」の目的は、語幹や語尾の概念を把握していなくても用言の基本形を活用することができる、あるいは、活用後のフレーズを基本形と語尾に分解して辞書を引けるための手引きとしてできるだけ整合性を保って提供することにあるのだろうと思う。細かく分類してあるので一見複雑そうに見えるが、もうちょっとわかりやすく噛み砕くのは可能ではないか。
 せっかく読んだし、もったいなくもあるので、近々  文法の特効薬 に、当該辞典の記述を参考にしつつちゃんとまとめた形で「用言と語尾の種類、語基と語尾の関係、その分類の考え方」みたいなものをアップしたいと思う。アイスコーヒー一杯分の時間では足りなさそうなので、もう少々お待ちくださいね。最後だけ丁寧語になっちゃったよ。
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 人がたいへんなことになってるのに、何の断りもなくもう夏だ。梅雨は第 Ⅲ 語基にくっついてる 아 とか 어 みたいなものだと捉えている管理者なので、もう夏。つまり、春の第 Ⅲ 語基が梅雨、夏は春の第 Ⅲ 語基につく「語尾」だ。あれ? そうすると、今はまだ春ってことになってしまわないか? なんだか話がくどい。
しかし、夏本番。夏と言えば朝鮮語の季節。春も朝鮮語の季節だが、じゃあ秋と冬はどうなるのかと言うと、秋は銀杏で、冬は焼き鳥の季節だ。まだ話がくどい。
 それはさておき、管理者の職場の一つである 韓国YMCA では今年も夏季プログラムが行われる。こどもキャンプ、伝統楽器の講習会、そして朝鮮語。
わけても朝鮮語のプログラムは今年も見事なラインアップで、どれも捨てがたい。ここは敢えて「韓国文化講座」と「小説を読もう」と「日本語から韓国語への道」をお勧めする。教科書に載る会話文も面白いが、やっぱり当たり前の生の朝鮮語は楽しい。生の朝鮮語にきっちり触れてどっぷりつかる機会はそうそうないはず。この団体は気が良いんだか弱いんだか不明だが受講料も格安である。韓国YMCAのホームページ を参照されたし。
 とか言ってるのをけっして宣伝だと思わないでいただけるとありがたい。どう見ても宣伝としか思えないかも知れないが、ひとえに管理者の人徳のおかげである。どこで勉強したって朝鮮語は朝鮮語。ご検討する選択肢として、ひとつ。
素敵な朝鮮語の夏をお過ごしください。
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 韓国エンターテインメント雑誌というのは今どれくらいの種類があるのだろう。きっとたくさんありますよね。管理者は買ったことこそないものの、送られてくる雑誌にはちゃんと目を通している。それでもなお俳優の名前と顔が一致しないのはテレビや映画で彼ら彼女らの活躍を観ていないからだろうと思う。あるいはちゃんと自分で買っていないからかもしれない。
 そんな可憐な管理者に、何を血迷ったか韓国映画を観て何か書けという注文があったので、仕事を選ばない管理者は駄文を書いてみた。管理者の手描きによるイラスト付きだ。お題は「私たちの幸せな時間 우리들의 행복한 시간 」。
 今月26日に創刊発売された『 Brand-new KOREA 』(ブランニューコリア) なる雑誌に載っているので、暑い日の午後などのお散歩ついでに立ち読みして本屋さんから外に出ると、やっぱり夏は暑いんだなと納得できると思う。売れる雑誌かどうかは管理者には判断できないが、管理者にものを頼むとは良い度胸だ。アグレッシヴな証拠だろう。その点は買い、と言える。創刊号の写真はヒョンビンという人らしいが、よくわからない。ペ・ヨンジュンでないのはたしかだ。美味そうな食べ物屋の写真が美味そう。管理者は今空腹なのだろうか。



2007.06.19(火)
 さる 様、オリジナル朝鮮語クロスワードパズルにご応募くださいましてありがとうございます。弊サイトをご覧になっている多くの方々にとっていろいろな意味での励みになると思います。ご応募くださいましたパズルは本日弊サイトに掲載させていただきました。お食事券も是非ご利用ください。また、これに懲りず二作目、三作目もお待ち申し上げております。
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 さあ、みなさんもさる様に負けないようにクロスワードパズルを作りましょう。どうやって作ったらいいかわからない? 管理者だってわからないのです。無い袖を振り、無い智慧をふりしぼる、まさに文字通りの奮闘こそが美しいのです。ある袖をふり、ある智慧をふりしぼるのはあたりまえ。ああ、あたりまえこそ美しい。......若干論旨が乱れましたが、ぜひ、ひとつ。
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 あまり変わり映えのしない練習方法だが紹介してみる。意識するしないにかかわらず、おそらく次の手順を踏んで外国語を覚えるはず。英語あたりだと基礎ができてしまっているので幾分異なるかもしれないものの、朝鮮語のように文字から覚える人が多い場合には有効だ。
前提条件としては、練習に使う文章の意味を語彙・文法のレベルできちんと理解していること。もちろんハングル文字が読めること。なので、復習に適した練習かもしれない。
  1. 教科書を見ながら教材についているCDを聞いて文章を目で追う。目で追えないのでは話にならない。
  2. CDを一文ずつ一時時停止して声に出して読んでみる。この際にできるだけ切らないで読む。読むスピードは遅くても構わない。これは何回も繰り返しが必要かもしれない。
  3. CDと同じスピードで声に出して読む。これができるとちょっとかっこいい。いや、かなりかっこいい。CDの声にかぶせて言えるようになるまでがんばる。
  4. CDを一文ずつ一時時停止して書き取る。もちろん朝鮮語で、綴りまで正確に。書き取れないところは、発音がいい加減になっている可能性がある。
  5. 日本語訳があれば、その日本語訳をみて朝鮮語で言ってみる。はずかしくなければ感情を移入させて口にするとなお良い。はずかしがっている場合ではない。はずかしいことは他にたくさんある。

 眼目は3と4の部分だ。1と2は準備段階、5は仕上げである。声に出して文字を読むのは、目で見ることでもあり、自分の耳で聴くことでもある。また、それは話すことにもつながっている。ことに4のところで書き取れないということは、意味がわかっていないのではなくて綴りがわからない証拠だ。これはテキトーにカタカナ発音でやっつけているということでもある。よしんば会話には支障が無いとしても、書く際にそれでは困るとも言える。
聞く書く話す読むは、それぞれ互いに連関し合っているのがおわかりになるであろう。当意即妙の瞬発力であるとか、語彙の数が多いとかいうのは、問わず語らず自分でもわからないうちに養われていくのであろうとも思う。そこを補う練習方法として書いてみた。
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 って、これ、こんなことはいろいろなところで語られているので新味はありませんが、新しかろうが古かろうが有効なのには変わりありません。有効だ、役に立つ、という功利から申し上げるのではありません。愛を伝えるのにも裸のまんまじゃ、あれですから、言葉にきちんと乗せて伝える愛があってもよろしかろうと、はい、かように考える次第です。ふふふ。かわいこぶってみた。



2007.06.17(日)
 きっとあるはず、おそらくそういう述語があるのだろうと思うのだが、さてお智慧を拝借したい。拝借とは言うもののお返しはできないのだが。
形容詞の第 Ⅲ 語基に 하다 をつけると他動詞になる。喜ばしい기쁘다 → 喜ぶ 기뻐하다 、悲しい 슬프다 → 悲しむ 슬퍼하다 、良い 좋다 → 好む・喜ぶ 좋아하다 の如し。
それはいいのだが、形容詞なら何でもいけるかというとそうではない。大きい 크다 → 커하다 などは理論的にはあり得てもとんと耳慣れない表現だ。大きがる? これは言わなさそうだ。朝鮮語の語感としてアウトなのはわかる。
ある解説書には「ある種の形容詞」、また他の解説書には「心理を表す形容詞」、そしてまた別の本では「感情形容詞」という説明がある(まとまった論評ではなく、思いつきを心覚えに記しているだけだから出典は敢えて挙げない。改めてゆっくり考えるためのメモは門外不出だ)。たしかに、喜ばしい・悲しい・良い、などは感情・心理を表すであろう。なるほど、感情なり心理なりを表す形容詞の場合は Ⅲ -하다 があるんだなと納得できそうだ。

 すると、暑い 덥다 → 暑がる 더워하다 はどうしたらいいのか。これはおかしくない。けっこうよく使う表現だ。暑い 덥다 は感情・心理を表しているのだろうか。ああ、悩ましい。
ああ、と恥ずかしい嘆声まで挙げておきながら言うのも何であるが、実はそんなに悩ましくない。解釈はふたつ考えられる。ひとつは、暑い 덥다 なども朝鮮語では感情なり心理なりを表す形容詞であると見なすこと、もうひとつは「XX形容詞」のようにカテゴライズする概念をあらたに構築すること。管理者が拝借したかったお智慧は、このXXに当てはまる述語があるのではないかなあと思ったからだ。ご存知の方がいらっしゃったらお教えください。
 文法くらいのことで悩ましがっていてはいけない。ままならないことも、そうかと思って大きく何でも受け入れると、悩ましいのがアラ不思議、愛おしくさえなってくる。
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 お昼のうどんにのせるべく美味しい温泉卵を作ったところ、出来上がったのはとても美味しいゆで卵 삶은 계란 だった。いくら管理者がさわやかな人柄でも、それだけではどうにもならないこともある。ままならないものである。悩ましいことだ。


2007.06.09(土)
  語尾一覧 に  Ⅱ -라 を新規で追加致しました。これまで  Ⅲ -라 のページに含めていたものを簡単ですが別立てにしたものです。ながの様、ご指摘ありがとうございます。



2007.04.22(日)
 二十四節気というのはおかしなもので、おかしいと感じるのは太陽暦を使っているせいだと思ったら、春分・夏至・秋分・冬至は日照時間に合っていて、そのくせ立夏が五月の初めくらいで「暦の上ではもう夏です」とか言われても、そうかなと思うのでおかしくないのかもしれません。
なんだかわからなくなったので「穀雨」のクロスワードパズルを掲載いたしました。穀雨は一昨日だったのですが、アップするのを忘れていました。春先だからでしょう。お楽しみください。
 さあ、ほら。隠してないでお出しになって。作って隠してあるクロスワードパズルがおありでしょう? はずかしくないから。だいじょうぶだから。ちゃんとするから。ね、心配しないで。管理者は何者だろう。ご応募、心からお待ち申し上げております。
에이, 잘 해 준다고요. 정말 잘 해 준다니까요. 걱정 말고 응모 좀 해 주시고요.
間接話法で迫ってみました。若干馴れ馴れしいかもしれません。
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 白地に黒の文字は目に優しくないのではないかと実は常々思っていた。そこでページのフォント色を淡く濃い青色というのか、TOPページのフォント色と同じにしてみたが、どうだろうか。なんとなく建築物の図面の青焼きを思い出す。いま時、青焼きとか青刷りなんてあるのかしら。なんせ、サイトが青刷り的な段階ですから。ちょっと自虐的になってみた。見易いですか?
ついでに左端のコンテンツのメニュウ部分、マウスを乗せるとヒョイとカラー部分が伸びるようにしてみました。小技です。小枝ではありません。そう言えば小枝チョコレート、最近見ない。売ってるのだろうか。食べたくなった。
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 たまに受ける質問で「この単語、どうしてもわかりません。辞書にないです」というのがある。辞書に載ってなかったらこっちだってわからないこともあるのだが。
文法的に活用された形から用言の基本形を復元しないと辞書から探せない朝鮮語は、こういうことがままある。あるが、そこはそれ、学習していれば勘が働くので用言の場合はなんとかなる。なんとかならないのが人名や地名などの固有名詞だ。質問されてどれどれと見てみると、概ねその類の固有名詞だったりすることが多い。
 朝鮮の人名、朝鮮の地名、皆さんはどれくらいご存知だろうか。有名人や観光地、はたまた訪れたことはないし有名でもないけど聞いたことくらいはある程度の馴染みのある町の名前や、朝鮮にありがちな人名。こういうのが案外というか実は大切だ。当然こんなのはいちいち辞書に載っていない。ここの部分こそ慣れとか年季がものを言う。管理者も芸能人の顔と名前くらい一致させないとだめかもしれない。テレビがないと気楽で良いが、困ることもあるのだなあと最近思うようになった。ほんとうは困っていないが困った振りをしないといけないのが困りものだ。



2007.04.15(日)
 管理者に政治に関する偏向はないと思っているが、社会に生きている以上は、好みや慣習、はたまた思い込みや馴染みというものもあるので、社会主義や共産主義は、資本主義と同じ土俵に並べるならば、後者により馴染みがあると言えばある。そのかわり、理想も理性も理念もないのでおあいこだ。おかげで周りの人も管理者自身も心的負担がなくて助かっている。
そこで暇つぶしに(暇なわけはないのである。年度が替わって授業は始まるし、桜は散るし、料理もしなければいけない)ちょっと「赤化した朝鮮半島」を作ってみた。
UNIFICATION FLAG  左の、朝鮮半島を象った美しいドジャーブルーの「統一旗(単一旗 단일기 )」にマウスを乗せてみてほしい。
あら、朝鮮半島が真っ赤っ赤に。
 これはふた昔とちょっと前だったら、あらぬところから非難と批判を受けてサイト閉鎖に陥るくらいのインパクトのある冗談だったはずだ(サイト閉鎖くらいではすまなかったかもしれない。逆に快哉を叫ぶ人すらいたはず)。抜けきらない「アカ 빨갱이 」ぎらいが骨がらみになっている人はまだ社会にたくさんいるわけで、今だって危険ですらある。「アカ」ぎらいの人が古典的に喧伝してやまなかった共産主義の恐怖と、資本主義の持つ怖さは、どう観ても感じても管理者には同質なものに思えてしかたがなかった。今もそうだ。どうせなら紫にすればよかった。それだと高貴な暴走族カラー、もしくは美輪明宏になってしまうが。

 ふた昔前ほど釜山駅の駅舎には「 멸공통일(滅共統一)」という表示が実にでかでかと掲げられていた。その表示はソウルオリンピックあたりに「 평화통일(平和統一)」と変わり、今はそういう掲示があった痕跡すらない。
南北の統一云々と口にしさえすれば、善人、英雄、理想に燃えるかっこいい人、というイメージを素直に喚起できて、みんな共感できていた時代が去っていくのと時を同じくして、くだんの釜山駅の掲示は姿を消したように思う。ほんとうか? 管理者はほんとうのことを言っているのか?
 青・赤・青・赤・青、と旗の色を変えてみながら、それにつけても開講時期は緊張するなあと、朝鮮語を学ばれる皆さんの心労を思っては、授業の準備にいそしむわけで、そのじつ、旗の色を変えては Java Script の初歩を練習する日曜日なのだ(ほんとうは授業の準備もするのが小心者の証拠です。真面目なのもいい加減にした方がいいと思う)。
陳腐な内容でした。誰にともなくお詫びします。
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 さあ、今日は換気扇の掃除の日だ。いつ掃除してもいいのだが、それはいつになっても掃除しないのと同じこと。なので二ヶ月に一回、今日は換気扇のお掃除よ、とTOPページの TODAY is で促すことにした。それでも換気扇を掃除しないのもまた人情。ご自宅の換気扇は綺麗ですか?



2007.04.08(日)
 漢字はお好きですか? きらい? ウソおっしゃい。お好きなくせに。
以前にも同じ文章を書いた気がしてしかたありません。しかたないので考えるのはやめて、かわりに  한글 de 漢字 に「漢字を入力すると朝鮮語読みをハングルで表示します」というコンテンツを作ってみました。ほら、ほんとは好きなくせに、我慢しないで検索してね、ということで、一文字でも二文字でも何文字でも。
 たいへん便利かつ単純な機能です。この漢字は朝鮮語で何て読むのかしらと思ったら、漢字を入力してボタンクリック一発です。あんまり便利なので検索してみると、タバコを吸うか吸うまいか一瞬だけ考えて箱からタバコを一本取り出し火を点け、スウッと吸ってフウッと煙を吐いてハアッと一息つく時間がかかります。管理者の使用しているコンピュータの処理速度と通信速度が遅いためだと思われます。スペックの高い環境でお使いの方ならば、「漢」と入れて「 한 」と出るまで、タバコを吸うかどうか一瞬の逡巡のうちに検索は終わるはずですが、調べものは若干の手間が脳みそのシワへ染みこませるコツです。タバコをお吸いにならない方は買いに行ってください。処理速度の速いコンピュータをお使いの方は買い換えてください。管理者のコンピュータと交換でもいいです。楽しくご利用くだされば幸いです。
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 上記コンテンツは以前から手をつけていたもので、ずっと失敗ばかりしていた。Java Script なるものを使っているが、これが管理者にはよくわからない。いかりや長介的にダメダこりゃ、と投げていたものをイースターサンデー(春を呼ぶということらしいので縁起が良い)を期して再度挑戦してみたところ、動作は遅いもののどうにかこうにか実用に足るではないか、というものができた。手をつけすぎてこんがらがったらもう修復不能と思い、勇躍サイトにアップした次第だ。うまくいってもいかなくても、原因がわからないのは気分が落ち着かない。落ち着かないのは管理者にお任せください。
 作っていて気がついたことがある。あれえ、この漢字収録されてないんだあ。自分で作っておいて言うのも何だが、収録してもよさそうな漢字が無い場合がある。それでも実用に足るから不思議だ。「なぜこの字が入っていないのですか」というご指摘をお待ちしております(そこまで調べる人は幸いだ。調べる過程で漢字の読みくらい覚えてしまう。管理者の辛抱にして深謀遠慮は底が知れない)。
おかげで今日のおつまみは餃子と刺身という手のかからないものになってしまい、これが美味しいから文句はない。
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 4月は春で、韓国語学校もたくさん開講している。どこもそれぞれなりの良い点があり、習う側の都合と合わせて選択できる範囲も少しずつ増えてきた。どうぞ皆さま。場所は問わず、朝鮮語を愛し、朝鮮語から愛され、朝鮮語で遊べる人生をお迎えください。



2007.04.04(水)
 yumeyume-k 様、オリジナル朝鮮語クロスワードパズルにご応募くださいましてありがとうございます。弊サイトをご覧になっている多くの方々にとっていろいろな意味での励みになると思います。ご応募くださいましたパズルは本日弊サイトに掲載させていただきました。お食事券も本日付けで発送いたします。是非ご利用ください。また、これに懲りず二作目、三作目もお待ち申し上げております。
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 応募もあったことですので、 朝鮮語クロスワードTOP の模様替えをいたしました。いくらか見やすくなったかもしれないと思えなくもありません。ご笑覧ください。多くの方のご応募を管理者は心待ちにしております。
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 はじめてクロスワードパズルの応募があってとても嬉しい管理者はエイプリルフールにウソをつくのも忘れてしまい、今年度の抱負をどうしたものかまだ決めかねている。たしか昨年は「罪のないウソをたくさんつく」だった(違うかもしれない)。今年度はどうしよう。
4月は人事異動、引っ越し、就職転職など動きが多い時期なので、管理者も流行に乗り遅れてはいけない。しかし人事異動しようにも管理者は原則としてフリーランス(と言うとかっこいいが、実態は社会の底辺に限りなく近い。近いが底辺ではない。案外呑気である。いい気なものだ)なので人事異動のしようもさせようもなく、引っ越しや就職転職するつもりも予定もない。乗り遅れた。まあいいや。
 そこで異動も引っ越しも関係なく、今年度の抱負は「ちゃんと  文法の特効薬 をきちんと追加更新しよう。韓国にも行こう。仕事を増やそう。規則正しい生活をしよう。そして、決めたことにあまり縛られないようにしよう」と決めた。
決めたからにはやらねばなるまい。なるまいが、なろうことなら一番最後の抱負を大事にして来年の桜を見たいものだ。もう来年か。来るのか、来年。皆さんの抱負は何ですか。ナンシー関が生きてればなあ。
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 「終声の ㄹ で始まる語尾だけ ’ になるので」様、ご質問ありがとうございます。
メールでもお答えいたしましたが、せっかくですので弊サイトをご覧になっている皆さまへの前回分の補足として、管理者からの回答メールを一部加筆修正して転載いたします。前回の日録と併せてご参照ください。

 特に気にしたことはないのですが、おっしゃるとおり、終声の ㄹ で始まる語尾の場合だけ、語幹の ㄹ が落ちるという理解で良さそうです。勉強になりました。ありがとうございます。

即席でまとめるとこうなるでしょうか。

●語幹の ㄹ が脱落する語尾( ㄹ の脱落は第 Ⅰ 語基と第 Ⅱ 語基でのみ起こる)
・終声の ㄹ で始まる語尾: Ⅱ '-ㄹ、 Ⅱ '-ㄹ까、 Ⅱ '-ㄹ게 など
(※初声の ㄹ で始まる語尾の場合は、語幹の ㄹ は脱落しない: Ⅱ -려고、 Ⅱ -러 など)
・ㄴ で始まるすべての語尾: Ⅰ '-는、 Ⅱ '-니까、 Ⅱ '-ㄴ など
・ㅂ で始まるすべての語尾: Ⅱ '-ㅂ니다、 Ⅱ '-ㅂ시다 など
・ㅅ で始まるすべての語尾: Ⅰ '-습니다、 Ⅱ '-시-、 Ⅱ '-세요、 Ⅱ '-사 など
・오 で始まるすべての語尾: Ⅱ '-오、 Ⅱ '-옵- など

 「語幹の ㄹ が脱落するのは ㄴ・ㄹ・ㅂ・ㅅ・오 で始まる語尾がつく時」ということも覚えているべきですが、それではとっつきにくくもあるし、上記※印部分のような枝分かれもあり不充分なので、「語幹の ㄹ が脱落する語尾」を一律的に明示して錯誤をなくすために「 Ⅰ '」「 Ⅱ '」のようにダッシュを附してある、というのが弊サイトや管理者が行っている授業での説明のメインであり、すべてです。

 蛇足ですが、「 Ⅰ '」「 Ⅱ '」のようにダッシュを附してある教材は韓国にはもちろんありませんし、日本でもほとんど見かけません。そもそも語基という用語を使っている教材がすくないわけですが(ただし語基的な概念を盛り込んだ教材は増えてきました)。中には語幹の ㄹ が落ちるのは第 Ⅱ 語基だけのようなスタンスで記述している教材もあります。参考になさる時はお気をつけください。

初級までの朝鮮語・初級から先の朝鮮語 管理者 拝上



2007.03.24(土)
 問題は第 Ⅱ 語基である。実は第 Ⅰ 語基でも起こり得る。何かと言えば ㄹ 語幹の ㄹ の脱落だ。
なぜ ㄹ が脱落するのかという根元的な理由はさておくとして(さておくまでもなく、誰にもわからない。これはこれで考えると地下鉄的に眠れない。そう言えば巣鴨の地蔵通りに、そんな春日さんの衣料品店がある)、どういう時に ㄹ が脱落するかが大事だ。なぜ大事かというと知らないと使えないからである。
 ㄹ が脱落するのは、ㄴ・ㄹ・ㅂ・ㅅ・오 で始まる語尾がつく場合だということになっている。じゃ、それでいいじゃん、というわけにもいかない。ㄹ で始まる語尾がついても ㄹ が落ちない時がある。代表的には  Ⅱ -려고 や  Ⅱ -리라 がすぐに思いつく。
しかたないので、この語尾は ㄹ 語幹につく時は ㄹ が落っこちますよというマーカーとして当サイトでは「  Ⅰ ' 」「  Ⅱ ' 」のように語基のローマ数字の右肩にダッシュを附してある。例えば Ⅰ '-는 、 Ⅱ '-ㄹ까 、 Ⅱ '-ㅂ니다 、 Ⅰ '-소서 、 Ⅱ '-오 が如し。

 なぜ今日にかぎってこんな固い話を思いついたのか、ここまで書いてきて忘れてしまったが、忘れたと書いた瞬間、思い出した。白水社から『朝鮮語の入門』の改訂版が出版されたのを見て、ああ「スポンの法則」かあ、とコソばゆい思いを皆さんに押しつけることで共有したかったのだった。
「スポンの法則」という言い方を初めて見たのはいつだったか。たしか随分前のNHKのテキストだったかと思う(どれくらい随分前かは失念した)。いろんな言い方を考えるものだなあと感嘆半ば、ㄹ が「スポン」と抜け落ちるからという間の抜けた語感に独り照れくさくなったのが半ば。揶揄しているのではない。こういうキーワードを作って覚えるのも有効なのを知っているから、揶揄などするわけがない。決して揶揄ではない。揶揄ではないのだ。
 管理者は、なんというか、語呂合わせでものを覚えるのが昔から苦手だった。年号とか元素記号とか外国の人名地名とか。そのまま覚えた方が良かろうと思うのだ。しかし謙虚な管理者は、自分にはダジャレの才能がないのだろうと自分を責めたこともある。そんなことで自分を責めなくてもいいのだが、おかげで元素記号は今でも水素とヘリウムと酸素くらいしか覚えていない。語呂合わせ記憶法みたいなものは、その語呂合わせを作る人が一番よく覚えられるのではないか。「スポンの法則」という言葉だけ覚えて、記憶が「スポン」と抜け落ちないように気をつけられたし。
 ここに至ってとうとうまとまりがつかなくなったので、改訂版『朝鮮語の入門』が出たね、と紹介だけしておいて、管理者は土曜日のランチを作ろうと思う。



2007.03.14(水)
 早春の候、皆さまにおかれましてはますますご清栄ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、本日は「オリジナル朝鮮語クロスワードパズルで食事券プレゼント」に関して皆さまにお知らせさせていただきたく存じます。

 朝鮮語がなんとなく好きで、朝鮮語を楽しもう、朝鮮語でたくさん幸せになろうという方の憩いの場として  朝鮮語クロスワード なるコンテンツを設けておりますが、この度 韓国家庭料理レストラン NOAH 様 の提供により、弊サイトにオリジナルの朝鮮語クロスワードパズルをお送り頂き掲載された方には、もれなくお食事券をプレゼントする運びとなりました。詳しくは 食事券プレゼント をご覧ください。
 昨年末以来、パズルをハングル入力対応にするなど改善をすすめて参りました。今後もご覧くださる皆さまがより楽しくお使いになれるよう、他コンテンツも含め一層の努力をして参る所存です。どうぞ、ふるってご応募くださいますようお願いとご案内を申し上げます。
初級までの朝鮮語・初級から先の朝鮮語
管理者 敬白
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 食事券プレゼントは良いのだが、このレストランは東京にあるので食事券貰っても使えないわ、なんて方もいらっしゃるはず。そういう場合は、ええと、誰か他の人にあげるとか、何かの用があって東京に出かける際にせっかくだから使うとか……。ともあれ一度お作りになってですね、お送りください。クロスワードパズル作り、やってみると案外楽しいものです。
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 もう冬ではないわけで、あともうちょっとで花の季節になってしまう。なってほしくないような言い方だがそうではない。花冷え 꽃샘추위 に気をつけるといいということで、なんだかしきりにそんな気がするのだ。


2007.03.04(日)
 先日3月1日の三一節 삼일절 に韓国のテレビを見た。ニュース番組で「 삼일절 폭주 」というのがとりあげられており、これはおそらく閑ネタのたぐいであろう。くだらないので書き留めておきたい。
節目となる祝日、三一節や大晦日や元旦などに暴走族が出盛って市街をこれ見よがしに暴走行為に及ぶわけである。パラリラパラリラパー。たいへん微笑ましい。結局おまわりさんに捕まって連行されるわけだが、先日のニュースでは捕まった男の子が「 난 폭주족이 아닌데요. 」と言っていた。「私は暴走族ではないのですが...」と教科書風に訳しても面白いが、ここは「オレ、族じゃないっすよ」としてみたい。ははあ、こういう際にも一応丁寧語になるんだなあ。
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 ふと思い出したので宣伝ではないがお知らせをする。
管理者の職場の一つである 在日本韓国YMCA という団体には国際文化部という部門があり、ボランティア・プログラムを始めいろいろプログラムを展開しているが、韓国語講座や伝統楽器、韓国舞踊の講座もある。毎年3月の第二土曜日くらいに、この国際文化部の発表会が行われており、今年もその季節だ。今回は3月10日(土)午後2時30分開演。芸歴ならぬ学習歴の長い方たちの発表であるので、実に見堪えがある。セミプロみたいな人も出演するし、講師陣は本物のプロであるので、水準は高い。入場無料。早春の一日のお散歩コースにどうぞ。



2007.02.19(月)
 水商売では二月と八月、俗にニッパチは客が少なくてお店に閑古鳥が鳴くということになっているのだそうだが、そうなのだろうか。朝鮮語でならさしずめ 비수기 [ 非需期 ] であろう。( 使える朝鮮語 「オフシーズン」参照)
管理者は朝鮮語の講師なので、世間で言うところの水商売ではない。水商売ではないがハッピーマンデーだの振替休日だの、何かの記念式典、高校では特別時間割、授業の回数が少ない時期であるのは確かだ。そういえば八月もそうであり、もしかしたら管理者は水商売に従事しているのかもしれない。光栄なことだ。
水商売に相応しく、今日は二十四節気の雨水だ。「雨水」というタイトルクロスワードパズルをアップしましたので、是非どうぞ。実は一年前に作ってあったもので、昨年アップするのを忘れていたのだ。作り置きのツキダシを一年後にお客様にお出しするなど、管理者の芸の細かいのにも我ながら恐れ入らざるを得ない。作り置きながら味は吟味してございます。



2007.02.04(金)
 立春を迎え、さて「立春」のクロスワードパズルを掲載しようと、下書き置き場をゴソゴソ探ってみたところ、作成して書き置いてあったはずの紙がない。部屋の掃除をして気分を入れ替えようなどと姑息なことを考えて、管理者の部屋の仕事コーナー周りを片づけた際に捨ててしまったような気がする。朧気にそんな気がする。貧乏性であるので裏紙に書いてほったらかしておいたのが災いしてしまった。名作が世に問われる機会が永劫失われたことを思うと無念さと爽快さを禁じ得ない。
無念はおくとして、爽快なのには理由がある。昨年晩秋来しんきくさく、かつ真面目にコツコツ励んできた  朝鮮語クロスワード のハングル入力対応への作り替えが本日、つい先ほど終了した。クロスワードパズルをハングルで入力できたら面白かろうと、そうした方が面白いという複数の方の意見もあったにせよ、よせばいいのに思いつきで始めたら、誰もやれとも止めろとも言わないのに、後に退くに退けなくなって年も明け、ようやく立春の日に完成を見たわけである。おかげで痩せるは、他の部分の更新が滞るは、料理の腕は上がるはで、踏んだり蹴ったりである。あまつさえ、未だにパズルの応募が一件もないのは管理者の不徳の致すところです、と言わざるを得ないのもまた立春らしい。
パズルにこだわるようであるが、たしかにクロスワードパズルは管理者の好きなものの一つであるのは恥ずかしながら隠しようもないのであるが、多くの人が朝鮮語を楽しく遊ぶ、朝鮮語で遊ぶ、朝鮮語に遊ばれる、朝鮮語が皆さんを弄ぶ、など、これはサイトの彩り、サイトの主目的としてのコンテンツでもあるので、応募がないのは淋しいのもまた事実だ。

 そこで、何かこう、やはり景品があると励みになるのではないかと短絡的に考えた管理者は、景品を出してくれそうな所を物色してみた。すると、世間は面白くもありがたいもので、食事券を出してもよい、という奇特な韓国料理レストラン経営者が現れた。おお、これぞ天の配剤とばかりに、管理者は食事券をタダで提供して貰うわけにはいかないので、現在その広告を作成中である。
管理者の肥やしたい私腹を肥やす目的では広告を何によらず掲載しないという方針にのっとり、朝鮮語クロスワードパズルを掲載させていただいた方には、当サイトの管理者を通して、韓国料理レストランの食事券をプレゼントするという形で、鋭意あれこれ調整中である。
サイト改修工事も終了し、奇特な韓国料理レストランに感謝し、裏紙に書いた「立春」のクロスワードパズルはまた来年新たに作ろうと思ったりしていると、そろそろ休日のおつまみである牛スジが煮えてきた。休日でも管理者は忙しいのだ。
上記内容につきましては、近日中に改めて、正式に当サイトにて発表いたします。



2007.01.19(金)
 あっという間にもう世間は師走です。管理者はまだ正月ボケが抜けていないと思わないでください。陰暦では立派に十二月です。はやくお正月にならないかな。......やはりまだ正月ボケが快癒していないかもしれません。みなさんは大丈夫でしょうか。大丈夫ですね。
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 ああでもない、こうでもないと足掻いては直していた  한글 de 漢字 のブラウザによる見映えの違い、どうにか修正が終了いたしました。横方向にムダにだだっぴろく見えていたハングル入力欄も程よく正方形に収まって閲覧入力ともに使い勝手が良くなりました。これでみなさんの漢字→ハングル変換能力が向上するかと思うと戦々兢々として夜も眠れない気分です。
あとは  朝鮮語クロスワード に掲載済みの分をハングル入力対応に置き換えれば昨年末以来のサイト改修工事が終了します。公共工事ではないので談合など発生しようもなく、極めてクリーンかつしんきくさく、そして爽やかに物事が進んでいるのは、ひとえに管理者の人望の無さとみなさまのご愛顧に依るところが大と申せましょう。
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 語尾一覧、文型一覧に加えるべき、加えたいと管理者が考える項目はまだたくさんあり、このサイトの一番の目玉であるとも考えているので、それならさっさと作成して掲載すればいいものを、なぜか管理者は作業に手を付けかねている。いくつか下書き程度のものもあって、それを形にすれば良いのだが、不思議と踏ん切りがつかないでほったらかしにしている状態だ。管理者自身にもわからない内的必然性があってのことだと思うので、もう少し待ってみよう。 Ⅰ '-노라 とか、 Ⅰ '-느니만 못하다 とか、 Ⅱ '-옵- とかが最近のお気に入りだが、これらは敢えて使わなくても他の言い換えが可能な、いわば学習対象としてならば不要不急の語尾文型の類であり、ええと、だから何だったっけかな。ぶり大根はこんな時に食べると美味しいので、また作ってみようと、血糖値が低いせいか急に食べ物のことが思い浮かんだ。
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 習い事は何でもそうかもしれないが、外国語の学習も達成感が継続の大きな原動力になる部分が大きかろうと思う。相手の言っていることがわかった、こちらの話していることが通じた、辞書を引かなくても読めた、けっこう長い文章が曲がりなりにも書けた。上手いか下手かは問わずとも、「あたしったら、けっこうイケルじゃない」と自分で思えることは大切だ。
こう思えるきっかけは、たとえば人から褒められるという外的なもの、ある日ふと自分で辞書のお世話になる回数が減ったと気づくなどの内的なもの、様々だろう。言葉というものの性質上、全ての語彙、全ての文法事項、それらの無限とも思える組み合わせの数、その中でもピシッとはまるナイスな表現、これらを遺漏無く把握するのは至難の業で、ネイティヴ・スピーカーですら無理なことである。このサイトをご覧になるみなさんは日本語話者だと思うが、日本語のことをどれだけ意識的に把握しているだろうか。管理者は自分のことを考えてみると甚だ心許ない。さあ、どうしよう。
学習対象として朝鮮語を考えてみると、ある程度の筋道は考えられる。字の形と字が表す音、つまり読み方を練習して、最初は丁寧語から、そして接続形、否定文、尊敬語や過去、その後に命令、勧誘など用途に応じた語尾や文型を学んでいく。だいたいどの教科書も概ねそういう配列になっている。背景にはもちろん朝鮮なり韓国なりという社会への歩み寄りがあって初めて道具としての朝鮮語も生きてくるので、例文やコラムなどでそれらの事項に触れたり、講師が冗談交じりで韓国朝鮮の四方山話をしたりもする。それらを覚え理解するためには、素材としての語彙が確かに必要不可欠であり、これはもう覚えても覚えてもきりがないとすら思われる。あまつさえ覚えたら忘れるなどという事態も発生したりもし、こうなると「あたしったら、けっこうイケルじゃない」などと自分で自覚するのは難しいと言わざるを得ない。真面目で謙虚で自罰傾向がある人であるほど問題は深刻だ。
しかし、それでもなお強調したいのは、いくら習熟したという自覚がなくても、それでいてさえ勉強していれば知識、道具としての朝鮮語は自分の中で確実に伸びているということだ。碁将棋など横で見ている方が全体を眺め渡せることがある。管理者は何と驚くべきことに朝鮮語講師という立場であるので、あくまで朝鮮語のことに限るのは言うまでもないが、講座を受講なさっている方々の伸び具合や伸びなさ具合、得手不得手がとてもよくわかる。と少なくともそう思っている。半年経ち一年二年が過ぎ、そうしていると、実に不思議なことに、そしてまた実に当然ながら、朝鮮語がそれぞれなりに上手になっているのだ。これすら管理者の思い込みかもしれないが、どうかまず小さな達成感を感じつつ、そしてそれを通じて、より大きな「あたしったら、けっこうイケルじゃない」があることを信じて朝鮮語を続けてくださいと、師走にあたってお願いならぬお誘いをする次第だ。おや、管理者はまだ師走のつもりでいますね。



2007.01.07(日)
 今日は七草粥の日です。管理者が作って食べるというわけではありません。ただ時候の挨拶をしたかっただけです。
なんとなく短く感じられた年末年始の休暇も、昨日からの三連休ですこし取り返した感じもいたします。そんな穏やかな初春のお休みのお供に、性懲りもなくクロスワードパズルを作成いたしましたので、どうぞ遊んでやってください。ついでに作ってください。管理者が喜びます。
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 皆さん、漢字、お好きでしょう? 嫌い? また、嘘ばっかりおっしゃって。ほんとうはお好きなくせに。
ほんとうは漢字好きなのに漢字嫌いなふりをなさる皆さまのために  한글 de 漢字 をご用意しております。漢字をランダムに表示してハングルで読みを入力する、というゲームみたいなコンテンツですが、年末年始にかけて大幅にリニューアルいたしました。
いたしましたはいいのですが、何ともこう、ブラウザによって見映えが違うという当たり前のことに困っております。動作に問題はないのですが、何だか今ひとつ見にくい部分があるようです。試行に錯誤を繰り返しつつ修正して参りますので、ご海容ください。ついでに、なぜこの漢字が入っていて、この漢字は無いの? というご指摘もお待ちしております。



2007.01.01(月)
 새해 복 많이 받으십시오.
올해에도 하시는 일마다 복과 성과가 깃드시기를 기원드립니다.
2007 년 첫하루에
관리자 배상
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 今年は亥年 돼지띠 で順番としては十二支の最後の年。韓国YMCAというところの土曜学級という子ども対象のクラスで、「 돼지 」というハングル文字を猪の形にイラスト化して子どもたちに年賀状を送ったのがもう十二年前だ。ハングル文字を猪に化けさせたのは管理者ではない。管理者にそんな藝はない。管理者にできたのは宛名書きくらいのものだった。
中国由来のこの干支、十二番目が猪なのはおそらく日本だけの筈。朝鮮では「猪( 멧돼지 または 묏돼지 。뫼 は固有語で「山」。뫼 と 돼지 の間に 사이 시옷 が入っている。つまり「山の豚」)」ならぬ「豚 돼지 」ということになっている。
え、ブタなんていやだあ、ぷんぷん。新年早々ご立腹なさらずともよろしかろうと思うのは故あってのことだ。中国はいざ知らず、「豚」という漢字の朝鮮語音は 돈 、これすなわち「お金」という意味の朝鮮語 돈 と同音であるために、朝鮮でブタさんは富貴のシンボルとしての意味合いがある。ブタと言えば日本なら蚊取り線香、韓国なら貯金箱を思い出すのがお約束だ。

 お金は大事で、なるほど、無いとオマンマの食い上げになるのはさりながら、人は 돈 だけでは生きていけない。牛肉鶏肉羊肉、魚や野菜も必要だ(以下食品名羅列省略)。
これつまり、ありがたく食べてありがたく生きればいいのだ、ということで円く収めてみたいのだが、どうか。管理者は食べ物としてのブタも、生き物としてのブタも、ブタに似た人も好きだ。
管理者に宗教はないが、ありがとうと思う気持ちは、人間にももちろん、人間が食べる対象となる生き物にも向けることはできよう。どの宗教でもおそらく同じことを言っていると思われる。

 これにくわえて、今年も皆さまとともに朝鮮語を楽しむことができるかと思うと、これはもうありがたいとしか言えない。
そんなわけで、今年もよろしくお願いする次第であります。꿀꿀 。



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