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第1回
「SHINee の Hello Baby」
第1回
「SHINee の Hello Baby」

テレビから離れてお読みください。−数倍楽しむテレビの韓国語− 『 KBS World Guide 』をお読みの皆様、こんにちは。KBS World の番組をネタにして番組内容はもちろん、番組とは関係ないことまで並べ立てつつ、おまけに、視聴者すべてが韓国語がわかるとは限らないのに番組で話されている韓国語の解説までしてみようという大胆不敵さ。一石何鳥になるかはお読みになるあなた次第。お読みになるには役に立てようと思わない広い心が必要です。

 さて、この「 SHINee の Hello Baby 」、タイトルどおり、韓国のシャバンアイドルユニット、 SHINee が赤ちゃんのパパになるという企画物。以前に少女時代がチャレンジした「 헬로 베이비 (ヘルロ ベイビ)」SHINee 版ですね。歌にダンスに評価の高い SHINee も、さすがに幼児のあしらいには四苦八苦してます。そこで今回は彼らの使う「幼児向け言葉遣い」に着目してみましょうか。

Key パパのところに行きな。Key パパのところに行きますよ~。
자, 키아빠한테 가∼. 키아빠한테 가요∼.
[チャア キーアッパハンテ カ~.キーアッパハンテ カヨ~.]

 ミノがユグン君(たぶん2~3歳)に向かって言ってるフレーズです。文末にご注意を。相手が子供であるので丁寧語は使わないというより、丁寧語というのは何語でもたいてい長ったらしいので、子どもにはわかりにくいわけです。すると自然に言葉は短くなるのも理の当然。最初の「行きな」は 가 [カ]、次の「行きますよ~」は 가요[ カヨ ]となってますね。おや、2つ目の「行きますよ~」は丁寧語ですね。一文字しか長くなってませんが。

 短いほうが俗に言う 반말[ パンマル ]です。日本語ならば「タメぐち、タメ語」でしょう。おもに年下や親しい者同士の間での言葉遣いということになってますが、このパンマルの守備範囲はすこぶる広いんですね。命令や勧誘、物事一般を述べる叙述、そして疑問までカバーできるというフットワークの軽い語法です。「 가. 」だけで「行きな、行こうよ、行くよ、行く?」など全部言えてしまいます。文字で書くとちょっとわかりにくいのですが、SHINee もイントネーションで区別して使ってます。

 このパンマルに 요[ ヨ ]をくっつけたのが、業界用語で言えば「略待上称」という文体です。「かしこまってはいないけど、丁寧さは何とか保っているフランクな言い回し」というところでしょう。無理やり分類すれば丁寧語の仲間です。ミノがユグン君に向かって「行きますよ」のように2度目を丁寧語で繰り返しているのは、ユグン君への命令を再確認する意味でしょう。日本語でもよくやるのと同じです。ほら、こういう言い方よくしませんか? 「は~い、XXちゃん、これ食べようね~。食べますよ~」というやつです。「ですます体による相手への促し」ということころでしょうか。番組中でもけっこうよく出てきますから、耳を澄まして聞いてみてましょうね。잘 들어 봐요.[ チャル トゥロ ボァヨ. ]

(『 KBS WORLD Guide 』2010年7月号掲載分より転載)

初級までの朝鮮語・初級から先の朝鮮語 文・イラスト ◉ 白宣基 ( 백선기 ペク・ソンギ )
韓国語学習サイト「初級までの朝鮮語・初級から先の朝鮮語」の管理者、韓国語クロスワードパズル作家、在日本韓国YMCA韓国語講座主任講師。少し的を外した視点がかえって的を射ているという授業を得意としている。
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